院長コラム
ホルモンバランス
大阪市福島区で産婦人科、栄養療法をしている レディースクリニック THE NEW WAVES 福島・梅田 です。
前回のコラムでは、月経周期と関連症状についてお伝えしました。
今回は月経の仕組みと、月経不順を起こす病態についてです。
月経のしくみと月経不順について
正常な月経のしくみ
月経が終わると、卵巣の中の卵胞がホルモン(FSH)の刺激を受けて育ち始めます。
育った卵胞からエストロゲンが分泌され、それをきっかけに別のホルモン(LH)が分泌されて排卵が起こります。
排卵後の卵巣からはプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌されます。
その後、エストロゲンとプロゲステロンの分泌が弱まると、子宮内膜がはがれ落ちて月経になります。(コラム2・3もご参照ください)

参考文献:年齢とともに変化!女性ホルモン
2種類の出血
消退出血(正常な月経):エストロゲンとプロゲステロンが両方しっかり分泌されたあと、その分泌が落ち着くことで起こる出血です。
破綻出血(不正出血):エストロゲンは分泌されているのに、プロゲステロンがうまく分泌されない場合に起こります。
増殖した子宮内膜が不安定になり崩れることで出血します。生理が来ないまま、少量の出血がだらだらと続く状態です。
プロゲステロンは排卵後に形成される「黄体」から分泌されます。つまり、プロゲステロンがうまく分泌されていない=排卵が起きていないサインでもあります。
月経不順はどのように進んでいくの?
月経不順は段階的に進んでいくと言われています。
①卵胞発育・排卵の遅れ → 希発月経
脳(視床下部・下垂体)と卵巣のホルモンバランスが乱れると、卵胞の発育や排卵が遅くなり、生理の周期が長くなります。
②排卵がされなくなる → 頻発月経と希発月経を繰り返す
排卵がなくなるとプロゲステロンが分泌されず、破綻出血が起こります。生理が早く来たり遅くなったりと、不規則な状態になります。
③ エストロゲンも低下 → 無月経(3ヶ月以上生理がない)
卵胞の発育がさらに遅れ、エストロゲンの分泌も減少。この段階になると生理がかなり遅れ、3ヶ月以上来なくなることもあります(第1度無月経)。
④ エストロゲンの分泌がほぼなくなる → 第2度無月経
常に無月経の状態が続きます。
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)とは?
月経不順には、上で説明したホルモン分泌の異常とは別の原因で起こるものもあります。それが**PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)**です。
通常の排卵では、卵巣の中で卵胞が1つ育って排卵しますが、PCOSでは発育途中の卵胞がたくさん存在してしまい、本来の卵胞の発育が妨げられます。
その結果、排卵が起きにくくなったり遅くなったりして、生理不順や無月経につながります。

参考文献:多嚢胞性卵巣症候群について
診断の目安
・月経周期の異常
・超音波検査での卵巣の所見
・血液検査:LH>FSH、テストステロン高値、AMH高値
詳しい診断基準はこちらをご覧ください。
将来的なリスクについて
排卵障害によりプロゲステロンが少なく、エストロゲンが相対的に過剰になるため、放置すると子宮体がんのリスク因子になります。
また、インスリン抵抗性(血糖の調節がしにくい状態)やメタボリックシンドロームとも関連があります。
PCOSの治療
治療方針は妊娠を希望するかどうかによって変わります。
妊娠を希望する場合
・肥満がある場合はまず減量に取り組みます
・食事の改善・血糖コントロールを行います
・排卵を促す排卵誘発剤(レトロゾールまたはクロミフェン)を使用します

妊娠を希望しない場合
・同様に減量・食事改善・血糖コントロールを行います
・低用量ピルで月経周期を整えます
・プロゲステロン剤を補充して月経を誘発するホルモン療法を行います

生理の乱れが続いているときは、体からのサインかもしれません。
「様子を見ていればいいか」と思わず、気になることがあればお気軽にご相談ください。
※本内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療を目的としたものではありません。
症状が気になる場合は、医療機関でご相談ください。
当院では、女性医師が在中しており、栄養療法にも力をいれています。
土曜日は第2・4週、日曜日は第3週に診療しております。
お気軽にご相談ご予約お待ちしております。