T H E   N E W   W A V E S
COLUMN

院長コラム

栄養の吸収について

大阪市福島区で産婦人科、栄養療法をしているレディースクリニック THE NEW WAVES 福島・梅田です。
前回は栄養素の「消化」についてお話ししました。
今回は栄養素の「吸収」について、お伝えします。

口腔内や胃、小腸で消化された食物は、小腸、大腸と進み栄養素として吸収されていきます。小腸・大腸とも消化吸収器官ですが、それ以外の働きも最近研究で明らかになってきています。

 

腸は「第2の脳」であり「免疫の最前線」

消化管は外部環境と直接触れている場所であるため、全免疫機能の約70%が腸に集中しているといわれています。
そして腸は独自の神経系を持ち、脳からの指令を待たずに自ら判断・調整を行うことから「第2の脳」とも呼ばれています。さらに注目すべきは、神経伝達物質の多くが腸にも存在し、その量は脳よりも多いことがわかっています。リラックス効果を起こす「セロトニン」の9割は腸でつくられているため、腸の不調が不安感や気分の落ち込みを引き起こす可能性があります。
つまり、腸を整えることは、脳と心を整えることにもつながります。これを「脳腸相関」と呼びます。

【腸の「ゴッドハンド」機能】
また、腸には驚くべき自律調整機能があります。
・不足している栄養素は吸収効率を上げる
・十分にある栄養素は吸収効率を下げる

この精密な調整を、腸は脳から独立して自ら行っています。これが「ゴッドハンド」と呼ばれるゆえんです。
たとえば、体内の鉄(フェリチン)が十分になると、腸は鉄の吸収を自動的に抑え、余分な鉄を便として排出するようになります。栄養補充の効果はこの機能を通じて発揮されます。
【腸と肝臓は「直結」している】
小腸・大腸から吸収された栄養素や毒素、腸内細菌の成分は、門脈を通じて直接肝臓に運ばれます。肝臓では、全身にめぐる前にフィルターの役割として解毒・代謝を行います。
つまり、腸内に毒素が増えたり腸内細菌の悪化はそのまま肝臓の負担になり、非アルコール性脂肪性管疾患や肝機能低下にもつながると言われています。この場合、腸の状態を改善することで肝機能が正常化するケースがあります。

 

腸内細菌とストレスの関係

腸内細菌は大きく善玉菌・悪玉菌・日和見菌に分類されます。
問題になるのが日和見菌です。通常は無害ですが、ストレスや交感神経の緊張が続くと悪玉菌に変化し、腸内環境を悪化させ免疫を低下させます。
また、腸内細菌はビタミンB群の産生にも関わっています。ビタミンB群が不足していると感じたとき、まずサプリメントで補う前に腸内環境を整えることを優先することが、より効果的なアプローチとなります。
最近の研究では、ある種の善玉菌は発酵過程で水素を発生し、抗酸化作用・抗炎症作用により腸内環境を整えることもわかってきました。善玉菌を増やすことが、とても大事であることがわかります。

 

リーキーガット症候群(LGS)と脳・アレルギーへの影響

腸の粘膜バリアが壊れ、本来は通過できないはずの物質が体内に漏れ出す状態をリーキーガット症候群(LGS)といいます。食生活の乱れやストレス、睡眠不足、腸内環境の悪化によっておこるといわれています。
LGSが引き起こす問題は腸だけにとどまりません。
・アレルギーの悪化
・脂肪肝
・メンタルへの影響(うつ・不安・発達障害との関連)

特に自閉症の子どもたちは腸の状態が悪く慢性炎症があることが知られており、腸の改善が脳機能の正常化につながる可能性が示されています。

 

腸を整える食事のポイント

◇オリゴ糖
小腸で吸収されず大腸まで届き、ビフィズス菌を活性化させます。短鎖脂肪酸の産生を促し、腸の運動を活発にして便秘・下痢の改善につながります。
◇食物繊維
同様に大腸まで届いて善玉菌の栄養となり、腸内環境を整えて便通を正常化させます。

 

腸内環境を整える2つのアプローチ

腸の状態を整えるには、以下の2つが重要です。
① 腸の粘膜を丈夫にする
適切な栄養素(グルタミン・ビタミンD・亜鉛など)を補充し、粘膜バリアを強化します。
② 腸内細菌のバランスを整える
オリゴ糖・食物繊維・発酵食品などを積極的に摂り、善玉菌が育つ環境を作ります。

「お腹の調子が悪い」「アレルギーがある」「なんとなく気分が優れない」といった症状も、腸の状態が関係していることがあります。腸を整えることが、全身の健康への第一歩です。気になる方はお気軽にご相談ください。

当院では、女性医師が在中しており、栄養療法にも力をいれています。

土曜日は第2・4週、日曜日は第3週に診療しております。

お気軽にご相談ご予約お待ちしております。