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COLUMN

院長コラム

女性に大切な栄養素:鉄について「鉄不足に注意!」

大阪市福島区で産婦人科、栄養療法をしている レディースクリニック THE NEW WAVES 福島・梅田 です。
前回は子宮内膜症・子宮腺筋症についてお話しました。
今回は女性に大切な栄養素についてです。特に「鉄」についてお伝えします。

実は多い!気づかない鉄不足
鉄はヒトにとってとても大切なミネラルですが、日本人の食生活では不足しがちな栄養素のひとつです。
特に以下の方は、気づかないうちに鉄が不足していることがあります。
・女性(生理のある年代):生理の出血によって毎月鉄を失いやすい
・思春期・成長期のお子さん:体の需要量が増えるため不足しやすい
・スポーツをしている方:汗による鉄の喪失や、激しい運動による微小な溶血が起こることがある。

特に、「子宮筋腫」「子宮内膜症」「子宮腺筋症」による「過多月経(生理の量が多すぎる状態)」がある方は、鉄不足になりやすいです。

鉄不足はこんな症状を引き起こします
鉄は貧血だけでなく、骨・皮膚・粘膜の代謝、コラーゲンの生成、免疫力、感情、筋肉の収縮など、体の多くの働きに関わっています。そのため、不足するとさまざまな不調があらわれます。
体の症状
・立ちくらみ・めまい・耳鳴り
・肩こり・筋肉痛・頭痛
・疲れやすい・寝起きが悪い・夜中に目が覚める
・風邪をひきやすい
・寒さに敏感(クーラーが苦手)
・微熱・むくみ・あざができやすい
・便秘や下痢をしやすい
見た目の症状
・髪が抜けやすい
・爪が割れやすい・変形しやすい
こころの症状
・イライラしやすい
・憂うつになることが多い
のどの症状
・のどに違和感・不快感がある、飲み込みにくい

健康診断の「ヘモグロビン値」だけでは見逃すことがある
鉄不足は段階的に進みます。
①フェリチン(貯蔵鉄)が低下する
まず体内の貯蔵鉄(フェリチン)が減り始め、この段階からすでに軽い不定愁訴が出てくることがあります。
②血清鉄が減少する
貯蔵鉄が枯渇すると、次に血液中の鉄(血清鉄)が減少します。
③ヘモグロビンが低下する → 鉄欠乏性貧血
ここで初めて健康診断でも「貧血」と指摘される状態になります。
つまり、健康診断でヘモグロビン値が正常でも、すでに鉄不足が進んでいる可能性があります。フェリチン値を合わせて確認することが大切です。

こんな方は一度検査をお勧めします。
「以前、貧血と言われたけどそのままにしている」「体がしんどいのは年のせいかな…」と思っていませんか?上記のような症状に心当たりがある方は、ぜひ一度ご相談ください。

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い
食品に含まれる鉄には2種類あり、体への吸収のされ方が大きく異なります。

            ヘム鉄(動物性)              非ヘム鉄(植物性)
含まれる食品     肉・魚・レバーなど             野菜・豆類・穀物など
吸収の仕組み  専用の吸収経路(HCP-1)で効率よく吸収  ビタミンCの助けを借りてDMT-1から吸収
消化器への影響   吐き気・便秘が起きにくい          消化器症状が出やすいことがある

非ヘム鉄を摂るときのポイント
植物性の鉄(非ヘム鉄)は、そのままでは吸収されにくいため、ビタミンCと一緒に摂ることで吸収率が上がります。
ほうれん草やひじきを食べるときに、レモンやブロッコリーなどを組み合わせるのがおすすめです。
また、胃酸の働きも大事になってきます。よく噛んで、胃酸の分泌を促す梅干しなど、酸味のあるものも取り入れるといいでしょう。
胃酸の分泌を抑える胃薬を内服しているときは、非ヘム鉄の吸収も抑制されます。

食事で鉄を補うには?
吸収されやすいのはヘム鉄(動物性の鉄)です。
肉・魚・レバーなどの動物性タンパク質に多く含まれているので、日頃の食事で意識して取り入れてみましょう。

食事だけで補うのは、実はむずかしい
1日に摂りたい鉄の目標量は、生理のある女性の場合10mgとされています。
ところが、これを食品だけでまかなおうとすると…
食品        10mgを摂るのに必要な量
鶏レバー(生)   →  約100g
カツオ刺身(生)  →  約500g
ほうれん草(ゆで) →  約1000g

毎日これだけの量を食べ続けるのは、現実的にはなかなか難しいですよね。
ちなみに、妊娠中ではこの倍の推奨量になっています。さらに食事だけでは難しいことが予想されます。
妊娠中に貧血を指摘されて、病院で造血剤(鉄剤)を処方されることもありますが、鉄剤は非ヘム鉄(無機鉄)です。
高容量であり腸内細菌叢の乱れや活性酸素の発生を引き起こすため、胃部不快感、嘔気、便秘などの副作用が出やすく、飲めない方もいらっしゃいます。

サプリメントを上手に活用しましょう
内服も難しく、食事で不足する分は、サプリメントで補うのもひとつの方法です。
サプリメントを選ぶ際のポイントは2つです。
・「ヘム鉄」がお勧めです(非ヘム鉄も含まれていても可):ヘム鉄は吸収されやすく、消化器への負担が少ない。非ヘム鉄も少量含めることで小腸での他ミネラルの吸収とのバランスがとれる。
・高品質であること:信頼できるメーカーのものを選ぶ。サプリメントは健康食品であり、GMP(厚生労働省が定めるガイドラインの基準を満たしている)認定マークがあるか、確認しましょう。

食事とサプリメントをうまく組み合わせて、鉄不足を防いでいきましょう。
鉄不足は症状が多岐にわたるため、「なんとなく体がつらい」という状態が続いている場合も、ぜひ一度ご相談ください。

当院では、女性医師が在中しており、栄養療法にも力をいれています。
土曜日は第2・4週、日曜日は第3週に診療しております。
お気軽にご相談ご予約お待ちしております。