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COLUMN

院長コラム

女性に大切な栄養素:タンパク質について②

大阪市福島区で産婦人科、栄養療法をしている レディースクリニック THE NEW WAVES 福島・梅田です。
前回はタンパク質についてお話ししました。
今回もタンパク質について引き続きお伝えします。

 

体のタンパク質は常に「入れ替わり」している

体の中のタンパク質は、一度作られたら終わりではありません。
常に合成(作る)と分解(壊す)を繰り返す「動的平衡」の状態にあります。

 

ノーベル賞で注目された「オートファジー」

2016年にノーベル生理学・医学賞を受診した大隈良典先生の研究で広く知られるようになったオートファジーは、細胞が古くなったり不要になったタンパク質を自ら分解し、そのアミノ酸を再利用する仕組みです。
この仕組みのおかげで、体は食事からのタンパク質摂取だけに頼らず、自分の体内でアミノ酸を効率よく再活用することができます。
タンパク質は摂るだけでなく、正しく作られ・運ばれ・入れ替わることではじめて体の力になります。

 

アミノ酸と栄養|グルタミン・アルブミン・食の変化が体に与える影響

農耕が始まって、人類の食事が変わった
約1万年前ごろに農耕が始まって以来、人類の食事は大きく変化しました。狩猟採集から、定住生活となり穀物を育てる生活へと変化したのです。
現在では摂取カロリーの半分以上が穀物(炭水化物)から供給されるようになっています。
この変化によって起きたこととして、以下が指摘されています。
・体に必要なタンパク質が不足しがちになった
リジン・メチオニンなどの必須アミノ酸が摂りにくくなった
・穀物の過剰摂取が肥満・糖尿病・メタボリックシンドロームの一因になっている
現代の食生活を見直すうえで、「穀物(炭水化物)に偏りすぎていないか」という視点はとても大切です。

 

アルブミンは「生きる力」の指標

PNI(栄養的指標)という指標をご存知でしょうか。手術や抗がん剤治療など、体に大きな負担がかかる治療に耐えられる体かどうかを評価するために使われる指標で、以下の2つの値から算出されます。
・アルブミン値(タンパク質がしっかり合成されているか)
・リンパ球数(免疫力が保たれているか)
PNI=(10×血清アルブミン値)+(0.005×総リンパ球数)
40~50:正常、または軽度の栄養障害
40以下:高度な栄養障害、手術時の合併症リスク高まる可能性あり
注目すべきは、健康な人でもアルブミン値が高いほど長生きするという研究結果があることです。アルブミンは単なる栄養状態の指標ではなく、生命力そのものを反映しているといえます。

 

グルタミン|腸・免疫・脳を支えるアミノ酸

グルタミンは体内で最も多く存在する遊離アミノ酸で、さまざまな重要な役割を担っています。
★腸を守る
グルタミンは腸の粘膜細胞の主要なエネルギー源です。腸の粘膜を健康に保つことで、栄養の吸収を助け、リーキーガット(腸の粘膜バリアの破綻)を防ぐ働きがあります。
★免疫を支える
グルタミンはIgA(免疫グロブリン)の材料になります。IgAは腸や気道などの粘膜面を守る免疫物質で、感染症への防御に重要な役割を果たしています。
★脳のバランスを整える
グルタミンは脳脊髄液にも多く存在し、以下の2つの神経伝達物質の**両方の前駆物質(もとになる物質)**です。

神経伝達物質          働き
グルタミン酸         興奮系(集中力・記憶など)
GABA           抑制系(リラックス・落ち着き)
グルタミンが適切に供給されることで、脳内の興奮と抑制のバランスが保たれます。
⚠️ 注意:発達障害などの一部の方では、グルタミン補充によってグルタミン酸だけが過剰になり、興奮状態を招くことがあります。自己判断でのサプリメント摂取は避け、専門家にご相談ください。

グルタミンの供給源は「筋肉」
グルタミンは体内でも合成できますが、その約60%は筋肉から血液中に供給されています。つまり、筋肉量が少ないと免疫機能の維持が難しくなることを意味します。
ストレスがかかると骨格筋や肺からグルタミンが大量に消費されます。このため、以下の方はグルタミン不足になりやすい傾向があります。
筋肉量が少ない方(高齢者・運動不足の方など)
強いストレスにさらされている方
腸の調子が悪い方
食事からグルタミンを補うには、肉・魚・卵・大豆製品などのタンパク質を意識して摂ることが基本です。必要に応じてサプリメントの活用も有効ですが、使用前にご相談ください。

当院では、女性医師が在中しており、栄養療法にも力をいれています。
土曜日は第2・4週、日曜日は第3週に診療しております。
お気軽にご相談ご予約お待ちしております。