院長コラム
女性に大切な栄養素:タンパク質③
大阪市福島区で産婦人科、栄養療法をしているレディースクリニック THE NEW WAVES 福島・梅田 です。
前回はタンパク質について、の第2弾をお話ししました。
今回もタンパク質について、第3弾です。引き続きお伝えします。
BCAA(分岐鎖アミノ酸)│筋肉・血糖・肝臓を支える働き
BCAAとは?
BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)は、必須アミノ酸の約40%を占める重要なアミノ酸グループです。
他のアミノ酸と大きく異なる特徴は、肝臓を通らずに直接筋肉で代謝されるという点です。
そのため、肝臓の機能に左右されず体内で利用できるという大きなメリットがあります。

肝臓が弱っている方特に注意
肝臓の機能が低下すると、有害なアンモニアを無害化する「尿素回路」の働きも弱まります。BCAAは筋肉で活発に代謝されながらアンモニアの解毒を助けるため、肝疾患の方にとってBCAAの補給は特に重要です。
BCAAは血糖値の維持にも関わっています
BCAAは筋肉に取り込まれて代謝される過程で、以下のような仕組みで血糖値の低下を防ぐ役割を果たしています。
1.BCAAが筋肉内で代謝される
2.生成された「ピルビン酸」にアミノ基が加わり「アラニン」に変換される
3.アラニンが肝臓に運ばれ、ブドウ糖(糖新生)が作られる
4.血糖値が維持されるBCAAが不足すると、この仕組みがうまく働かず低血糖症状(ふらつき・集中力の低下・だるさなど)が起きやすくなることがあります。
ロイシン │ 食後の血糖値スパイクを防ぐ
また、BCAAのひとつであるロイシンには、インスリンに似た働きがあります。インスリンがなくても、筋肉の細胞表面に糖の取り込み口(GLUT4)を移動させ、血液中のブドウ糖を筋肉に取り込む作用があります。
食後の血糖値を穏やかにするアプローチ
食後に血糖値が急上昇する「血糖値スパイク」を防ぐために、以下の方法が効果的とされています。
・食後の前にBCAAを摂取する
・食後すぐに有酸素運動を行う
この2つを組み合わせることで、食後の血糖値の上昇を穏やかにする効果が期待できます。
参考文献:無意識に引き起こしているかもしれない「血糖値スパイク」とは
現代の食事はタンパク質が足りていない?
1928~1929年に行われた「肉と水だけ」で1年以上生活するという実験では、被験者は健康を維持し、体重も穏やかに減少。胃腸・血液・腎機能にも問題がなかったという結果が示されました。
この実験が示すように、人間にとってタンパク質(動物性食品)は非常に重要な栄養源です。
一方、現代の食事と新石器時代の食事を比較すると…
糖質の割合 タンパク質の割合
新石器時代 少ない 多い
現代 多い(増加) 少ない(減少)
現代人は糖質の摂取が増え、相対的にタンパク質が不足しがちな食生活になっていることがわかります。
まとめ │ BCAAと食事で体を整える
・BCAAは筋肉・肝臓・血糖値の維持に深く関わっている
・食後の血糖値スパイクには「食前BCAA+食後の軽い運動」が効果的
・現代の食生活は糖質過多・タンパク質不足になりやすい
・意識的にタンパク質・BCAAを補うことが健康維持の鍵
「疲れやすい」「食後に眠くなる」「血糖値が気になる」という方は、食事の内容やタンパク質の摂り方を見直してみることをお勧めします。気になる方はお気軽にご相談ください。
プロテインとアミノ酸サプリ、どちらがいい?
サプリメントと**プロテイン(タンパク質)**を摂るか、アミノ酸を摂るかは、消化機能の状態によって判断することが大切です。
アミノ酸サプリ プロテイン
消化の必要 ほぼ不要 必要
吸収の速さ 速い やや時間がかかる
向いている方 消化機能が弱っている方 消化機能が回復している方
腸への負担 少ない 腸をしっかり使う消化器への働きが弱っているときは、アミノ酸サプリの方が腸への負担が少なく、速やかに吸収されるため有効です。
ただし、腸の働きを使うこと自体が腸の回復・維持につながるため、消化機能が回復してきたら、できるだけプロテインや食事からのタンパク質摂取に戻していくことが推奨されています。
「疲れやすい」「腸の調子が悪い」「免疫が落ちている気がする」という方は、タンパク質・アミノ酸の摂取を見直すことが改善への糸口になることがあります。気になる方はお気軽にご相談ください。
当院では、女性医師が在中しており、栄養療法にも力をいれています。
土曜日は第2・4週、日曜日は第3週に診療しております。
お気軽にご相談ご予約お待ちしております。




