院長コラム
DOHaD説からみた妊娠中の栄養について①葉酸
大阪市福島区で産婦人科、栄養療法をしている レディースクリニック THE NEW WAVES 福島・梅田 です。
「DOHaD説」とはご存知ですか?
人生最初の1000日が、将来の健康を決める
受精してから生後2歳頃までの「人生最初の1000日」は、体の設計図が作られる非常に大切な時期です。
この時期の栄養状態やストレス、環境などが、遺伝子の「働き方」に影響を与え、将来の病気のかかりやすさを大きく左右することがわかっています。
これをDOHaD説(ドーハッド説)と言います。
過去の研究では、妊娠中に極端な栄養不足にさらされたお母さんから生まれた子どもは、
心臓病・糖尿病・腎臓病・発達障害などを発症しやすいことが報告されています。
さらにその影響はお孫さんの世代にまで及ぶこともわかっています。
葉酸はなぜ大切なの?
葉酸はビタミンB群の一種で、細胞が増えるときに欠かせない栄養素です。
特に妊娠初期は赤ちゃんの神経管(脳や脊髄のもと)が作られる時期のため、葉酸が不足すると神経管閉鎖障害というリスクが高まります。
また葉酸は妊娠中期以降も引き続き必要で、不足すると川崎病のリスクが上がるとの報告もあるため、妊娠初期以降も葉酸の摂取を続けることが重要です。

推奨摂取量の目安
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時期 |
推奨量 |
| 妊娠を考え始めたら(受精3ヶ月前から) → | 食事に加えて400μg(マイクログラム)/日 |
| 妊娠中期・後期 → | 食事に加えて240μg/日 |
| 授乳中 → | 食事に加えて100μg/日 |
ただし、摂りすぎも問題です。
過剰摂取は小児喘息のリスクを上げるとの報告もあります。
上限量(18〜29歳:900μg/日、30〜49歳:1000μg/日)を超えないよう注意しましょう。
日本人は葉酸を使いにくい?
葉酸を体内で活用するための酵素(MTHFR)には個人差があり、日本人の約60〜65%はこの酵素の働きが弱いタイプと言われています。
そのため日本人は特に意識して葉酸を摂ることが大切です。
葉酸と一緒にビタミンB12も忘れずに
葉酸だけを多く摂っていても、ビタミンB12が不足していると葉酸がうまく働けません。
ビタミンB12が不足すると「メチルトラップ」という状態が起き、ホモシステインという物質が血中に蓄積されて血管にダメージを与え、血圧上昇につながることがあります。
妊婦・授乳中の方のビタミンB12目安量は4.0μg/日です。

ビタミンB群の役割まとめ
葉酸がうまく機能するためには、以下のビタミンB群も一緒に必要です。
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栄養素 |
主な役割 |
| ビタミンB2 → | 葉酸の代謝を助ける |
| ビタミンB6 → | 有害物質(ホモシステイン)の分解を助ける |
| ビタミンB12 → | 葉酸と協力してDNAの合成や修復を助ける |
妊娠前・妊娠中の栄養は、赤ちゃんの一生の健康に関わる大切な土台です。
葉酸を中心に、ビタミンB群をバランスよく摂ることが重要ですが、摂りすぎにも注意が必要です。
サプリメントの選び方や摂取量については個人差もありますので、ぜひ当院にご相談ください。

※本内容は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の診断や治療を目的としたものではありません。
症状が気になる場合は、医療機関でご相談ください。
当院では、女性医師が在中しており、栄養療法にも力をいれています。
土曜日は第2・4週、日曜日は第3週に診療しております。
お気軽にご相談ご予約お待ちしております。